1995年3月多摩大学経営情報学部を卒業。株式会社ミスミに入社。2件の新規事業立ち上げを経験した後、株式会社ブレイク・フィールドの非常勤取締役に就任する。2002年に株式会社ピーバンドットコムを設立。2017年には東証マザーズへの上場を果たす。
学生時代に取り組んだこと
入学当時は明確な目的意識がなく、学びたいこと、挑戦したい仕事など、白紙に近い状態でした。ただ、周囲の熱量はまるで違いました。開学3年目の当時、実学を掲げる大学は珍しく、社会から大きな注目を集めていたこともあって、30倍もの入試倍率をくぐり抜けてきた学友たちの中には、すでに起業を目指していたり、家業を継ぐ意思を固めていたりする者がいました。将来の事業について、本気で語り合う彼らの姿を間近に見ることは、間違いなく、大きな刺激でした。また、野村総合研究所や三菱総合研究所など、最大手のシンクタンクから来た教授の言葉には説得力があり、学生と企業を繋げようとしてくださる姿勢に驚きました。こうした環境にもまれたおかげで、具体的なアイデアこそ生まれませんでしたが、起業家精神の土壌ができあがりました。自分の力量を世に問う覚悟が固まった4年間だったと思います。
社会人になって想うこと
最初に入社した株式会社ミスミは、ゼミのケーススタディーでも取り上げられていた、イノベーティブな企業風土の会社です。新入社員ながら私は新規事業を任せてもらい、5年後には半導体のEC事業立ち上げにも携わることができました。現在の株式会社ピーバンドットコムは、この事業を引き継いだものです。しかし、実際に起業するまでの道のりは平坦ではなく、同世代の人たちが次々と独立していく状況に、焦りを感じることもありました。非常勤取締役として、大学の同窓生が起こした会社を手伝いながら、自身の道を模索する日々が続きましたが、諦めずに可能性を追い続けることができたのは、同じ道を行く友人たちが目標となり、支援してくれたからです。近年、多摩大学で講演する機会がありましたが、自分の可能性を諦めてしまっている学生が多くなっているようで、少し残念に思います。友人の影響を受けたり、教授の意見を聞きながら、今、何がしたいか、何が続けられるかを見極める場として、多摩大学をフル活用してもらいたいと願っています。
思い出の一枚
サークル夏合宿にて学友たちと
卒業して20年以上が経ちましたが、大学の同窓生たちとは、今でも連絡を取り合っています。お酒を酌み交わし、他愛のない話に終始することもありますが、気の置けない関係が何より貴重です。同じ経営者という立場にいる同窓生も多く、ときには仕事で繋がることがあり、とても面白い環境にいると実感しています。業種も違えば、状況も異なりますが、ともに走り続けている感覚をもっています。
コレが私のマストアイテム
友人たちから貰った上場記念の贈り物
東証マザーズへの上場を祝って、友人たちがMONTBLANCのペンをプレゼントしてくれました。日常においてはもちろんのこと、重要な署名の場面では欠かせないアイテムです。また、社内ガラス壁に描かれたイラスト(※画面上を参照)も、友人の手によるものです。皆さんの支援の気持ちに精いっぱい応えていかなければと思います。
ご登場いただいた方々の所属や肩書きなどは取材当時のものです:このインタビューは2018年10月に実施いたしました